飲食店店長 管理監督者性を否定 東京地裁

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飲食店の店長を務めていた労働者が残業代の不払いなどを不服として訴えた裁判で、東京地方裁判所は労働者の管理監督者性を否定し、運営会社に計980万円の支払いを命じました。


労働者は平成28年10月にレストランを運営するA社に入社しました。入社当初は調理師として働いていましたが、30年4月からは店長として店舗運営に携わるようになりました。店長としての賃金は月額30万円で、勤務は長時間かつ深夜に及ぶこともありましたが、同社は管理監督者に当たるとして、時間外・深夜の割増賃金を支払っていませんでした。


同地裁は、管理監督者として認めるには下記の点が必要だと指摘しました。

①経営上の決定に参画し、労務管理上の決定権限を有している

②自己の労働時間について裁量を有している

③管理監督者に相応しい賃金等の待遇を得ている

そのうえで、労働者は店舗の唯一の正社員であり、勤務時間は店舗の繁閑や他のアルバイトのシフト次第だったとして、労働時間に裁量があったとはいえないと評価しました。また、待遇について、賃金月額30万円は必ずしも高額ではなく「相応しい待遇を得ていたとは到底いえない」と強調。残業代に加え、付加金の請求も認めています。

店長を管理監督者として運営している会社様は、今回の事例を参考にして、運営体制を見直す必要があるかもしれません。

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